11/24/2010

NTT Docomo - Galaxy S User Test

NTTドコモが「Xperia」(ソニー・エリクソン製)の次に力を入れた「GALAXY S」は、最新のAndroid OS 2.2を搭載したサムスン電子製のスマートフォン。前評判も高く、売り切れが相次いだほどの人気を博している。NTTドコモの高速な通信やサクサク動く操作感に加えて、価格が安いことも評価できるポイントだ。今回も入力性をメインにレビューしていきたい。




サクサクの操作感、ギラギラしたユーザーインタフェース


 今まで、NTTドコモの回線では従来型の携帯電話端末を利用していたのだがGALAXY Sに買い換えた。決め手となったのはタッチの感度だ。iPhoneに慣れていると、指先にインタフェースがピタッと付いてくる感覚があり、他の端末を触ったときに画面が遅れるのが煩わしかった。ところが、GALAXY Sは画面の遅れをほぼ感じない快適な操作感で、ストレスがほとんどないのだ。
 画面サイズは4.0型で、3.5型のiPhoneよりやや大きい。その分、本体が横に広く、手に持ってみると、約12mmの薄さが際だつ。約118gと軽いので、携帯電話の2台持ちが珍しくなくなった今となってはありがたい。
 筐体は樹脂製で、チープな感じは否めない。数日間ケースに入れずに持ち歩いていたら、たくさんの細かい傷が付いてしまった。ただし、iPhoneのように美しい筐体でもほとんどの人がケースに入れているところを見ると、スマートフォンはケースに入れる前提で検討すればよい、という考え方もできる。ケースを前提に考えると、主張しすぎないデザインはむしろありがたい。

 

 GALAXY S独特のユーザーインタフェースは、一言でいうとギラギラしている。標準設定の壁紙はもとより、追加したアプリも、アイコンの周りに黄緑や紫など、派手な色の縁取りが付く。同じAndroidでも、Xperiaや「IS01」などとは大きく印象が異なるのだ。女性には評判が良くなさそうなデザインではあるが、勢いを感じるギラギラ感には、むしろ新鮮さを感じる。

サムスン独自のキーボードは英語の学習機能が便利


 入力は、サムスン独自のソフトキーボードが搭載されている。テンキーでは、iPhoneのようなフリック入力が可能で、感度が設定できる。個人的には感度を高めにした方が使いやすかった。フリック入力時には、選択したキーを拡大表示する機能があるが、iPhoneのような花びら状ではなく、常にキーの上に表示される。素早く入力しているときには、表示された文字をいちいち見ていられないので、誤字があってもなかなか気づけないことがあった。iPhoneのように花びら状の方が使いやすければ、追加アプリを利用するのも手だ。
 他にも、トグル入力をオフにできる設定が用意されている。トグル入力とは、一般的な携帯電話のような入力方式で、「え」を入力するために「あ」を4回タップするもの。普段フリック入力を主にしているなら、トグル入力をオフにしておけば、「はは」など、あ段の文字が連続する場合でも素早く入力できる。


 

 テンキーとQWERTYキーのみどちらでも日本語、英数字がタイプできるが、お互いの切り替えはボタンを長押ししなくてはならない。切り替えが頻繁に発生すると、長押しでの入力は時間がかかり、面倒に感じることがあった。
 便利なのは、英字でも予測変換ができること。学習機能もあるので、一度入力したメールアドレスや、アカウント名などを再度利用するときにとても簡単だ。英語のメールや文書を書く機会が多い人も、特に固有名詞などで重宝することだろう。  

コピー機能が使えないアプリもある


 ブラウザーやメニュー画面のスクロールはとてもスムーズ。ときおり、速すぎて滑るように感じることもあるくらいだが、素早く画面の一番下に移動したい場合などは重宝する。標準のブラウザーはコピーが可能。選択したい文字の上を長押しすると、拡大した吹き出しが表示され、単語単位で選択できる。iPhone同様に、指先を離してから範囲の選択が可能だ。「コピー」「検索」「共有」から選べて、クリップボードにコピーしたり、Googleで検索ができる。また、「共有」を選ぶと、Twitterなどのアプリに渡すことができる。

 

 プリインストールされているメールソフト「Eメール」は、テキストのコピー機能が搭載されていないので、今後のアップデートに期待したいところ。あるいは、追加アプリで「テキストを選択」のメニューが含まれているものもあるので、利用するとよいだろう。Gmail用のソフトは、問題なくテキスト選択が可能だった。
 メールやブラウザーの連携で使いやすいのは、リンクからブラウザーを開いて別のアプリが立ち上がっても、「戻る」ボタンでもとのアプリに戻れることだ。Android 2.2の新機能ではないが、改めて便利さを痛感した。わざわざホーム画面やメニュー一覧を開いて、アプリを起動し直す必要はない。また、ホームボタンの長押しで、最近使用したアプリを6個表示でき、こちらも便利に使える。
ファイル管理と通知パネルはiPhoneにない便利さ


 iPhoneと比較した場合に、何と言っても便利なのはファイル管理ができることだ。「マイファイル」というファイラーがプリインストールされているので、フォルダーやファイルがすぐに見られる。iPhoneのようにアプリを駆使しなくても、メールの添付ファイルを保存したり、メールに添付して送ることができるのだ。パソコンや、Windows Phoneなどでは当たり前の機能だが、iPhoneがスマートフォンの代表となった今では、改めて便利さを感じてしまう。

 

 また、従来のAndroid端末にもある機能だが、新着メールや不在着信、アラートをまとめて表示してくれる通知パネルはかなり便利だ。画面の上部にアイコンが表示され、指先で引き出すと、通知の内容が確認できる。該当のアプリを開いたり、まとめて通知を消すこともできる。アプリにかかわらず同じ場所に表示されるので、見逃しがないのだ。また、Wi-FiやBluetoothのオン/オフも同じ画面ででき、設定からいちいち開かなくて済む。
 画面の動きや通信速度も速く、満足できる仕上がりながら、機種変更でも約3万円という低価格は高く評価できる。MNPなら1万円台後半というから驚きだ。各社から続々とAndroid端末が発表されているので、アプリもますます充実していくだろう。iPhoneより自由度が高いだけに、多様な使い方ができそうだ。



(栃尾 江美=テクニカルライター)
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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