2010年10月06日
スポーツシューズ業界においてテクノロジーを視覚的にアピールしたのは、1987年にナイキからリリースされた初代「ナイキ エアマックス」が最初だ。
このシューズに初めて採用されたビジブルエアは、元来はエア容量を増大するために、着地時につぶれたエアユニットをサイド方向に逃がすために窓を開けた機能性向上のためのアプローチだった。しかしながらエアユニットを視認できるという斬新なアイデアは、まさにテクノロジーのショーケースであり、エアマックスというシューズの付加価値を増大させることにも貢献した。
現在ではスポーツシューズのテクノロジーを外部から視認できることは当たり前になっているが、そんな状況においてもアスリートの目を楽しませてくれる、特にインパクトのあるモデルが存在しており、今シーズンも各ブランドから登場している。そんな巷を賑わせている“視覚的に楽しめる”スポーツシューズをいくつか紹介しよう。
革新的なメカニズムを誇るジグパルス2だが、その高い機能性とともに、注目が集まるのは、一度見たら忘れられない唯一無二のデザイン。1945年に登場して以来、全世界でポピュラーとなった、階段や段差を勝手に降りる「スリンキー」というバネの玩具をデザインモチーフにしており、その大胆なデザインとインパクトのあるカラーリングは存在感抜群。
“視覚的に楽しめる”スポーツシューズを代表する存在であり、3月に先行発売された米国市場はもちろんのこと、今夏より正式リリースされた日本でも「『8月というスポーツシューズの売り上げが落ち込む時期に、目立って売れているのはジグパルス2だけ』という声を数多くのショップからいただいています」(リーボックジャパン ブランドマーケティングマネージャー 小林弘樹氏)というように、良好な販売を記録。ベストセラーの一角に食い込むことに成功している。
このシューズのグローバルローンチイベントは2月末にバルセロナで行われたが、イベントにはサッカーフランス代表のティエリ・アンリ、F1ドライバーのルイス・ハミルトンも参加。彼らもジグパルス2を着用して数々のアクティビティを行ったが、ジグテックの機能の高さを絶賛するのと同時に、そのインパクトのあるデザインに関しても高い評価を与えていた。
フルイドトレーナーは、アウトソールに戦車やブルドーザーのキャタピラーを想起させるデザインを採用したトレーニングシューズ。この独特なデザインのアウトソールは、体重の移動線に沿って深い溝が刻まれており、柔軟な屈曲性を発揮。FLUID(フルイド)、つまり流体のようにしなやかでスム
ーズな体重の移動を可能とし、さらに足に吸いつくようなフィット感を着用者に与える。
筆者はかつてスポーツシューズブランドにプロダクト担当として10年間勤務し、これまで数々のスポーツシューズを実際に着用してきたが、フルイドトレーナーは機能性とデザイン性が高次元で融合した魅力的なプロダクトだと思う。
最も特徴的なのはアウトソールのデザインだが、アッパーのデザインがスポーティ過ぎないし、面白いカラーリングが多い点にも注目すべき。その快適な履き心地に加えて、インパクトのあるアウトソールとシンプルなアッパーデザインを組み合わせたことで生まれる汎用性の高さを始めとして、トータルバランスに優れたプロダクトに仕上がっている。
またフルイドトレーナーのもう1つの特徴が、豊富なアッパーデザインのバリエーションが存在すること。メンズ、ウイメンズ各3モデルがラインアップされており、それぞれ男女別のデザインが採用されている。さらに自分好みのカラーリングがセレクトできる「mi Performance」の対象モデルとなっているので、世界で自分だけのカラーコンビネーションの1足をカスタムオーダーすることも可能だ。
このようにスポーツシューズの機能性が年々向上するのと同じく、そのデザインも毎年革新されている。特に「視覚的にも楽しめるスポーツシューズ」は、これからスポーツを始めたいという人々のモチベーションを高めるのにも効果的であり、今後も各ブランドは機能性の向上と同様に、アスリートを“その気にさせる”プロダクトの開発に邁進していくと思われる。なぜなら魅力あるデザインは、店頭における購買を決定する要因としても、とても重要だからである。
このシューズに初めて採用されたビジブルエアは、元来はエア容量を増大するために、着地時につぶれたエアユニットをサイド方向に逃がすために窓を開けた機能性向上のためのアプローチだった。しかしながらエアユニットを視認できるという斬新なアイデアは、まさにテクノロジーのショーケースであり、エアマックスというシューズの付加価値を増大させることにも貢献した。
現在ではスポーツシューズのテクノロジーを外部から視認できることは当たり前になっているが、そんな状況においてもアスリートの目を楽しませてくれる、特にインパクトのあるモデルが存在しており、今シーズンも各ブランドから登場している。そんな巷を賑わせている“視覚的に楽しめる”スポーツシューズをいくつか紹介しよう。
“ジグザグ”デザインが特徴のリーボック「ジグパルス2」
リーボックからリリースされた「ジグパルス2」は、「ジグテック」と呼ばれる最新のクッショニングテクノロジーを搭載したランニングシューズだ。ジグテックとはジグザグ状のソールユニットが着地時の上からの衝撃を吸収し、斜め前方へのエナジーリターンへと変換するテクノロジー。従来のクッショニングデバイスは、上からの衝撃をそのまま反対方向へと押し返すことが一般的だったが、ジグテックは自然と足が前に出るような高い反発性能を確保。一般的なスポーツシューズを着用した場合よりも筋肉の運動量を抑制してくれるので、より長時間の運動を無理なく行える。革新的なメカニズムを誇るジグパルス2だが、その高い機能性とともに、注目が集まるのは、一度見たら忘れられない唯一無二のデザイン。1945年に登場して以来、全世界でポピュラーとなった、階段や段差を勝手に降りる「スリンキー」というバネの玩具をデザインモチーフにしており、その大胆なデザインとインパクトのあるカラーリングは存在感抜群。
“視覚的に楽しめる”スポーツシューズを代表する存在であり、3月に先行発売された米国市場はもちろんのこと、今夏より正式リリースされた日本でも「『8月というスポーツシューズの売り上げが落ち込む時期に、目立って売れているのはジグパルス2だけ』という声を数多くのショップからいただいています」(リーボックジャパン ブランドマーケティングマネージャー 小林弘樹氏)というように、良好な販売を記録。ベストセラーの一角に食い込むことに成功している。
このシューズのグローバルローンチイベントは2月末にバルセロナで行われたが、イベントにはサッカーフランス代表のティエリ・アンリ、F1ドライバーのルイス・ハミルトンも参加。彼らもジグパルス2を着用して数々のアクティビティを行ったが、ジグテックの機能の高さを絶賛するのと同時に、そのインパクトのあるデザインに関しても高い評価を与えていた。
ソールが戦車のキャタピラー!? アディダス「フルイドトレーナー」
アディダスからも、ソールのデザインが目を引くスポーツシューズが発表されている。「フルイドトレーナー」がそれだ。フルイドトレーナーは、アウトソールに戦車やブルドーザーのキャタピラーを想起させるデザインを採用したトレーニングシューズ。この独特なデザインのアウトソールは、体重の移動線に沿って深い溝が刻まれており、柔軟な屈曲性を発揮。FLUID(フルイド)、つまり流体のようにしなやかでスム
ーズな体重の移動を可能とし、さらに足に吸いつくようなフィット感を着用者に与える。
筆者はかつてスポーツシューズブランドにプロダクト担当として10年間勤務し、これまで数々のスポーツシューズを実際に着用してきたが、フルイドトレーナーは機能性とデザイン性が高次元で融合した魅力的なプロダクトだと思う。
最も特徴的なのはアウトソールのデザインだが、アッパーのデザインがスポーティ過ぎないし、面白いカラーリングが多い点にも注目すべき。その快適な履き心地に加えて、インパクトのあるアウトソールとシンプルなアッパーデザインを組み合わせたことで生まれる汎用性の高さを始めとして、トータルバランスに優れたプロダクトに仕上がっている。
またフルイドトレーナーのもう1つの特徴が、豊富なアッパーデザインのバリエーションが存在すること。メンズ、ウイメンズ各3モデルがラインアップされており、それぞれ男女別のデザインが採用されている。さらに自分好みのカラーリングがセレクトできる「mi Performance」の対象モデルとなっているので、世界で自分だけのカラーコンビネーションの1足をカスタムオーダーすることも可能だ。
シューズのデザインが“その気にさせる”!?
そのほか、“視覚的に楽しめる”シューズのパイオニアであるナイキのエアマックスシリーズも健在。最新モデルの「ナイキ エアマックス+2010」では、フルレングスのビジブルエアユニットを採用することで、ソールユニット全体のナイキエアが見えるようにした。エアマックス史上最高レベルのクッショニング性能を確保すると同時に、視覚的にも衝撃吸収反発性の高さをアピールことにも成功。こんなシューズを履けば、毎日のランニングも楽しくなることは間違いないだろう。このようにスポーツシューズの機能性が年々向上するのと同じく、そのデザインも毎年革新されている。特に「視覚的にも楽しめるスポーツシューズ」は、これからスポーツを始めたいという人々のモチベーションを高めるのにも効果的であり、今後も各ブランドは機能性の向上と同様に、アスリートを“その気にさせる”プロダクトの開発に邁進していくと思われる。なぜなら魅力あるデザインは、店頭における購買を決定する要因としても、とても重要だからである。
(文/南井 正弘)
No comments:
Post a Comment